新年のご挨拶
2019-01-04
新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、旧年中はひとかたならぬご高配を賜り心より御礼申し上げます。
日本へ着任しお陰様で2年目を迎えることが出来ました。日本のお客様、行政・港湾関連、代理店各社など関連する方々の熱いご支援を頂戴しながら、家族の来日もあり、公私ともに充実した時を過ごすことが出来ましたこと、あらためて深謝申し上げます。
弊社の昨年1年を少し顧みて総括しますと、春季の中国沿岸部で長期に亘る濃霧、夏季の切れ目なく来襲する台風や秋季の大きな地震など自然の災害に苦慮致しましたが、タイ・ベトナムから上海不寄港の日本直行サービス、上海、太倉から仙台直行やフィリピンの新サービスなど、数多くの新規航路を開設、また新規発注済み16隻の新造船中、3隻を引取るなど、積極的な事業を展開して参りました。
本年は平成31年(皇紀で2679年)、平成の歴史を閉じ、日本では新しい時代を迎えようとしております。外国から日本への観光客が年間3,000万人を超え、観光立国として新しいジャンルの産業も切り開いているようです。
一方、昨年からの中米による制裁関税の応酬、いわゆる米中貿易摩擦で世界の政治及び経済への影響は小さくなく、市場は動揺しているように見受けます。現状の90日間の休戦明けに激しい応酬が再開されると企業への心理的な悪化が一層懸念され、企業による投資が低下する可能性や為替・株価などへの影響も不透明になり、当分は先行きが見通せない状況が続くと思われます。
しかし世界の混迷が深まりつつも、既に昨年末に発効したTPP11やBREXIT、フランス、ドイツの混乱はありますが2月1日に発効する日欧EPAは世界の約35%が自由貿易圏に属することになり、日本のGDPの押し上げに大きな影響を及ぼし、保護主義への盾となることを期待いたします。また国内外の企業にとっても大きな商機を産むことになり、ピンチをチャンスに変えていく戦略が迫られるところであると思量致します。
係る状況下、通貨安のASEANから中国、米国への輸出活況、中国の個人消費を刺激する越境ECの税制優遇拡大や市場開放政策は不確実性の強いマーケットの中で大きな役割を果たすと考えております。特に人口が6億2,000万人を超えるASEANでは、堅実なGDPの伸長、域内の関税撤廃やインフラ整備で今後の商圏と物流の拡大が見込まれます。
弊社に取りましては原油価格の推移、とりわけIMO(国際海事機関)によるSOx(硫黄酸化物)規制導入、つまり燃料油の高品質化を義務付けられたことに強い関心を持たざるを得ません。本年1月1日より中国全港ではこの燃料切替を前倒しで実行しなければならず、LSS(Low Sulphur Fuel Surcharge)導入につきまして、ご理解を賜りたくお願い申し上げます。
弊社は昨年2月初旬に東京本社の新事務所移転を完了し、社員一同新たな気持ちで、弊社のモットーである顧客志向をベースに常に改善の姿勢を以って事業に取り組んでおります。本年度も全社一丸となり”FOCUS ASIA”を推し進め、地方港寄港を含む新しいサービスの開拓、迅速・確実・丁寧な対応を提供し、日々努力を積み重ねて参りますので、変わらぬご厚誼と倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
敬具
平成31年元旦
SITC JAPAN株式会社
代表取締役 張 立潔