新年のご挨拶
2021-01-05
謹んで新春の祝詞を申し上げます。
旧年中は格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます。 “令和”3年、日本の生活も4年目となり、日本通(つう)を自負しております。皆様の心温かいご厚情に接しあらためまして深謝申し上げます。
昨年初めの新型コロナウイルス発生に端を発した様々な事象が世界経済の構造や就業スタイル、日常生活の急激な変化につながり、とりわけ世界の広範囲に亘る地域のロックダウンは多くの企業にサプライチェーンの再構築を迫るなど、これまでにない安定感を欠く一年でした。
また中米貿易摩擦と一部の国による保護主義への傾注から世界経済が揺さぶられた年でもありましたが、11月にASEANと中日韓など15カ国が東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名、世界の人口とGDPの3割を占める市場が今後、自由貿易の促進と経済の活性化を生み、ひいては荷動きが活発になることが予想され、その意義と今後の経済効果に注目したいところです。
米国新大統領のバイデノミクス政策が世界に広がりつつある自国主義傾向の芽を摘むことを切望しております。
地球温暖化に伴う大規模な気候変動は、地球規模の異変をもたらし経済への打撃は年を追うごとに脅威を増しています。昨年も世界各地で長雨、大雨による洪水発生、台風の勢力は年々猛烈型が多くなり、それが港の混雑をも増長し、海運業界だけでなく多くの企業を苦しめていることは明白です。
今後は脱炭素、化石燃料を使わないCO2排出を抑える大胆な新エネルギーへの転換が迫られ、企業はこれまでよりリスク管理を幅広く考えねばならず、経営への負担と責任が増すところです。
IMO(国際海事機関)は50年に海運業界全体のCO2排出量を08年比50%、その達成に向け1隻あたりの排出量を同40%削減する目標を掲げており、将来的にLNG燃料等を使うなど弊社もグリーン戦略を研究し、確実に実行していく所存です。
日本では東京オリンピック・パラリンピックが本年に延期されましたが、日本の自主的な抑制力を活かしたWITHコロナをうまくコントロールしながらワクチンなどの環境整備を整え、無事開催出来ることを 強く祈念いたします。
さて海運業界の観点から見れば昨年は上半期と下半期で荷動きが一変、上半期は中国、ASEANでの新車販売が落ち込むなど産業全体が冷え込み冴えない状況でしたが、下半期に入った頃よりコロナからいち早く脱した中国、コロナの抑制に成功したベトナムなどに、分散されていたSCMが回帰、上期に止まっていた製造業の生産が急激に回復したこともあり、特に中国発、またASEAN発での荷量が爆発的に増え、市場に急激な変化をもたらしました。海運各社では過去に例がないほど本船スペースとコンテナの不足が生じ、やがて稀有な混乱状態を生むことになりました。
弊社もその影響を晩夏ころから受けるようになり、苦戦を強いられるようになりました。しかしながら弊社は弊社のモットーでもある顧客志向をベースに無謀な策は取らず、節度ある対応に徹してまいりました。
その成果もあり結果的に親会社のSITC INTERNATIONAL HOLDINGSの株価が史上最高値を更新することが出来、多くの株主様からご信頼とご期待を一身に受け、身の引き締まる想いです。
弊社はこの先行きが見えない不安定な未来であっても、将来に亘り健全で持続的な成長を続けるため積極的に投資を継続してまいります。2014年から3年間で新造1,800TEU型14隻を就航させ、2017年に2,400TEU型4隻、2018年は2,400TEU型2隻、2,700TEU型3隻を発注、昨年は6隻を就航させることが出来ました。さらに昨年8月には1,800TEU型6隻、11月に2,700TEU型1隻と2,400TEU型4隻を発注、12月には2,600TEU型オプションを含む10隻を発注し新造船の拡充を積極的に推し進めております。
弊社は一昨年、約70,000TEUのDRYコンテナを、昨年はREEFERコンテナを主に約12,000TEUを新造にリプレースし、これからもお客さまの大切な荷物を安全に輸送することに重きを置いてまいります。
弊社は老朽化したレガシーシステムから生じる『2025年の崖』を克服するためデジタルトランスフォーメーション(DX)にも積極的に取り組んでおります。
大変革の時代を生き抜くために情勢を機敏にとらえ、常に情報収集のアンテナを立て、圧倒的に良質な船体とコンテナの整備を進め、お客様とハイレベルなパートナーシップを組み、新たな価値を創造していく所存です。
SITC INTERNATIONAL HOLDINGSは本年をもって創立30周年を迎えます。弊社SITC JAPANは昨年12月で25歳の誕生日を迎えましたが、本社、支社、TEAM SITCのメンバーと協調、関係各社一丸となり、もう一度創業の原点に戻り、至誠を尽くし常に改革を進めてまいりますので、変わらぬ御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
本年も皆様が御健勝で御多幸でありますよう心からお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
令和3年元旦
SITC JAPAN株式会社
代表取締役 張 立潔