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新年のご挨拶

2022-01-05

 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中はひとかたならぬご高配を賜り心より御礼申し上げます。
 2022年(令和4年)は、十二支の3番目にあたる寅年、また36年に1度の周期で巡ってくる「五黄の寅」の年でもあるそうです。五黄の寅とは、九星と呼ばれる中国の民間信仰と十二支を組み合わせた言い伝えとのこと、本寅年にあやかり、何事にも前向きでチャレンジ精神を以って事業を進めていきたいものです。 

 昨年も様々なことがありました、物流の混乱もあり記憶が薄れがちですが東京オリンピック・パラリンピックがコロナ渦でも無事成功に終わり、世界各国のアスリートから勇気と感動をいただきました。今年の冬季北京オリンピックへうまくつながるよう期待しているところです。またワクチンの2回接種はこれからブースター接種にまで進み、野球では大谷翔平さん、ゴルフでは松山英樹さんのご活躍は脳裏に残っています。衆議院の総選挙もあり、新総理も就任されました。
 弊社ではスタッフの在宅勤務を年初から10月末まで取り入れた就業環境でした。

  さて、本年は世相よりも皆様の関心事でもある海運事情を中心にコメントさせていただきます。

 一昨年の新型コロナウイルスから端を発した巣ごもり需要から、当初は比較的短期に収束すると思われた海運市況の混乱が今も続いております。現在、定期コンテナ船の業界が大きくクローズアップされておりますが、実はその歴史の内幕は長期低迷に喘ぎながら、多くの企業が淘汰され、吸収合併を繰り返してきた非常にビターな業界でもあります。それが昨今の物流事情でスペースが逼迫、訪れた数少ない好景気の一つの中で累損を掃き出し、息を吹き返しているのが実情ではないでしょうか。 

 コロナに起因するサプライチチェーンの中国回帰、前述の巣ごもりによる荷量増加が港湾の取扱い能力を 超えた負荷となり、またコロナに対する厳格な水際対策、さらに台風や洪水などの自然災害も加わり、多岐に亘る要因から著しい港湾混雑が発生、各港で船が着岸出来ず無駄な港外待機をしているのが実情です。これにより船のスケジュールを保てず、抜港・抜船を余儀なくされることから、ますます船のスペースが不足する悪循環を生んでいます。ターミナルも同様で作業員やドライバー不足に加え、コロナの陰性証明等が必要なケースもあり、且つターミナルまでの道路渋滞等の要素も加味され、ターミナル自体及びその周辺までもが激しい混雑に見舞われています。 

 利益率の高い北米航路に資源を集中させたグローバル船社から受けた大きな余波は近海船社の在り方さえも変え、さらに傭船マーケットから船が姿を消し、その傭船料やコンテナの調達コスト且つ燃料油の大幅な高騰もあり、船社経営に重大な影響を及ぼしていることは間違いのないところです。
 昨春に決めた入札レートとそれ以降のマーケットレートに大きな乖離が生じ、かじ取りが難しい局面ではございましたが、弊社は日本の商習慣に配慮しながら節度を保った政策を推し進めて参りました。昨年終盤、今年度に向け、特にBCOのお客様が船腹の安定供給を確保するため入札交渉の時期を前倒しされるケースが多発、運賃水準も公正な取引を基に時勢に合わせて上昇する気配が窺えます。
  昨年11月頃からコロナの変異株が世界の広範囲に亘り感染拡大が続いておりますが、今後ワクチンの追加接種と飲み薬の普及、ウイルス自体の弱毒化、その他の要因で重症化リスクが徐々に減少し、コロナの喧噪が下火になることを期待し本年度以降、世界経済が業種の分け隔て無く正常に戻ることを切に祈念しております。

 本年の海運業界全体の所感を申し上げますと、いろいろな所見はございますが港湾混雑の解消は世界全体の荷量減等が無い限り、船社が船舶の大型化を図り新造船を投入したところで、特に外地港湾の取扱い能力を拡充させない限り、昨年のスペース逼迫状況が早期に大きく改善される可能性は比較的小さいと考えております。
 特に北京オリンピックが開催される春節前は、中国出しを筆頭にアセアン各国でも出荷が殺到、例年以上の混乱が生じると予想いたしております。

  荷動きの基調は本年以降も中長期的に中国出しを軸に、貨物量はコロナ前を上回っていくと見込んでおります。昨年は各船社が新造船の発注を数多く出し、それらが竣工する23年後半から荷量との需給バランスを懸念する見方もあり、現在のスペース逼迫に対する“海運特需の反動”に備えることも肝要であると考えております。
 幸いなことに弊社は新造船発注のタイミングが早く、多くの新船隊をより早く投入出来、今後はこれら環境に配慮した船隊を使い航路の拡充を積極的に推し進めて参ります。

  カーボンニュートラルは国際的な課題ですが、毎年発生する世界の自然災害はその数と甚大な被害を増幅させており、地球規模の気候変動を注視せざるを得ません。国際海事機関(IMO)は2018年に2050年のCO2総排出量を2008年比で半減させると発表、また2030年までに2008年比で燃費を40%以上改善すると公表、その強い意志を発信しています。
 世界貿易の90%以上を海運の輸送で請け負っていることもあり、船社にとって経営には非常に重い負担となりますがCO2排出を抑えた船へのリプレースや新燃料への大胆な変換も必要となりその開発が待たれるところです。弊社といたしましてはグリーン物流を積極的に推し進め、確実にその責務を果たして参ります。

  弊社は特徴でもある“多頻度網の目”配船のメリットを活かし、弊社業務への負担とはなりますが、遅延した船をその遅延を取り戻すため他航路の船と積極的に入替え、お客様には少しでも早くなるオリジナルスケジュールに近いサービスを提供しており、これは本年度以降も顧客志向の観点から継続して参ります。

  先行きが不透明なところはございますが、環境に配慮しながら持続可能な発展を目指し、お客様へより良いサービスを提供するためSITCグループの総力を挙げ、誠意ある事業を展開して参りますので、本年度も変わらぬご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 本年も皆様がご健勝でご多幸でありますよう心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

 令和4年元旦

SITC JAPAN株式会社
代表取締役 張 立潔

昨年就航した新造船シリーズ

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