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新年のご挨拶

2023-01-04

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます。 

 2017年5月、日本に着任し本年で早や6年目を迎えることになりました。
 日本の皆様方から多くの心温かいご厚情をいただきながら、信頼関係の構築を意識し、公私ともに充足した時を過ごしておりますこと、あらためまして深謝申し上げます。 

 令和5年は卯年、うさぎはその跳ねる姿から「飛躍」、「向上」を象徴すると言われ、景気が好転するとされているそうですが、心底から現実のものとなることを祈念しております。 

 さて、昨年を少し振り返りますと国内外で歴史的な事象が続いた年でした。
 2月、北京で平和の象徴でもある(冬季)オリンピックが開催された後、ウクライナ危機が勃発し潮目が変化、世界がじわりと多極化の方向に進み始め、自由貿易がやや後退、各国は以前にも増して経済安全保障に重点を置いた政策を取らざるを得ないかのようです。 

 気候変動対策が求められる中、上記事情から世界のエネルギー事情が大きく変化し資源が高騰、電力不足も顕著となり、同対策の一部逆行も見られるようになりました。
 またエネルギーや穀物不足に合わせ、多くの物の価格が上がり、さらには米国の金利上昇にも影響を与え、一部他国との間で金利差を生じさせ、通貨安をもたらすることにもなりました。

 特に日本では一時1ドル150円を超えるなど記録的な円安をもたらし、中国ではゼロコロナ緩和策が急展開で進められ、短期ではあっても持続可能なサプライチェーンの構築に課題として立ちはだかる様相を見せ、どれほどの影響が及ぶか注視しなければならないところでもあります。

 かかる事情から昨年から現在に至るまで世界的なインフレと景気後退が同時に進むというあまり好ましくない状況に追い込まれているように感じております。

  明るいニュースとしては日本がサッカーワールドカップで優勝経験のあるドイツとスペインに逆転勝ちし、日本中が歓喜に沸いたことは記憶に新しいところです。

  弊社が関わる定期船市況に目を移しますと昨年中盤から世界的な巣ごもり需要が一服、2年あまり続いた船のスペースとコンテナ不足が解消され、また取り扱い能力を超えた荷量増加に対応が困難であった一部港湾の混雑も落ち着きを見せ始め、ヒートアップしたマーケットが沈静化に向かっているようです。

 港湾の正常化が継続されると仮定し、船齢の高い船舶を解撤したとしても本年終盤頃から多くの新造船が投入され始めますと、その後の船のスペースと荷量の兼ね合いを意識せざるを得なくなります。
 船舶の大型化はターミナルでの滞船時間が長くなり、港湾の混雑解消とはトレードオフの関係にあり、当該港湾が同時に取扱い能力を向上させていくことも望ましいと考えます。

 世界の荷動きは経済次第となりますが、中・米が可能な限り歩み寄り、景気後退から脱し両国が再び購買力を上げ世界経済をリードしていきますと景気は短期間で一気に拡大することも考えられます。

 環境投資を考慮に入れながら、コロナ後を見据えた質の高い継続的な投資が望まれるところです。

 EUは官民合わせて今後の10年で脱炭素投資を140兆円、日本政府は150兆円(国は20兆円)と算段しているようです。

 昨年の国内の設備投資は脱炭素や環境にかかわる投資、また半導体関連の投資が目立ち、地政学リスクを考慮しながら前年比でも大幅増となり時代のニーズに沿ったトレンドであると言えるでしょう。

 地球規模の気候変動から派生する温暖化、自然災害、旱魃、洪水、スーパー台風は年々脅威の度が上がり、その対策は待った無しの状況です。

 経営への大きな重圧とはなりますがGXに向け船社は燃料分野で最適な燃料を模索、変化に対応しながらCO2排出削減を定量化出来るよう様々な取り組みをしているところです。
 但しカーボンニュートラルに適した燃料は大量生産が出来且つ潤沢な供給及び価格が重要な要素となることも忘れてはなりません。

 これらは船社だけで負担できるものではありませんので、社会全体の理解を得ながら将来は“環境サーチャージ”の導入も視野に入れなければならない時期が来るかもしれません。

 弊社ではコロナ前に発注した新造船が一昨年から続々と投入されており、昨年は20隻弱、今後も20隻程度の就航を見込んでおり、新造コンテナ投入と合わせ、船隊の更なる若返りを実行、CO2削減、グリーン物流を目指しております。

 本年以降も先行きが不透明で不確実性がニューノーマルに固定された感は有りますが、特に本年前半は船社にとって厳しい年になるかもしれません。

 過去2年あまり船のスペースとコンテナ不足に苦慮した際にも、弊社は日本の商習慣を配慮しながら節度を保った政策を推し進めて参りました。
 今後は荷物のバランスを見ながら効率の良い船社経営が望まれるところです。

 外部環境が大きく変化する中で、弊社ではGX、DXに加えSXへの取組を積極的に進めております。
 FOCUS ASIAをベースにした弊社のコアになるビジネスモデルの徹底、効率やリスクコントロールの向上、スピーディーで誠実な対応を以って、何よりも顧客志向に磨きをかけていきます。

  特にSITC JAPANの全社的なカスタマーサービス力は、その歴史において脈々と形成、受け継がれ、競合他社が模倣できないケーパビリティや暗黙知を持っていると考えております。

 弊社は全社一丸となり、困難な局面になればなるほどこの潜在能力を如何なく発揮し、迅速・確実・丁寧なサービスを以ってお客様への対応を図っていく所存です。

 どうぞ本年も変わらぬご厚誼と倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
 皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りし、新年の挨拶とさせていただきます。

 令和5年元旦

SITC JAPAN株式会社

代表取締役 張 立潔