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新年のご挨拶

2024-01-04

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます。

 日本に着任し本年で7年目を迎えることになりました。
 昨年はWBCにおける侍ジャパンの世界一達成に感動し、日本での野球観戦が新たな楽しみに加わりました。   
 本年も皆様方からの熱いご支援を頂戴し、信頼関係の構築を意識し、公私ともに充実した時を過ごすことができました。改めて深謝申し上げます。

 2024年(令和6年)は「十干十二支」では「甲辰(きのえたつ)」に当たる。「甲」は十干では最初の文字で、物事の始まりや成長を意味します。また、「辰」は十二支では唯一の空想上の生き物の竜でもあり、「強運」や「権力隆盛」などを表すとされ、力強い景気回復を期待したいものです。

 さて、簡単に昨年を振り返ますと、経済、社会、技術などあらゆる面で変化した年でした。

 まずは新型コロナの「5類」への引き下げに伴い、イベント再開、外食産業・観光需要の増加、更に円安もありインバウンド需要が復活しました。経済面では、4月に日銀総裁に植田氏が就任し、6月には日経平均株価が約33年ぶりに33,000円台を回復し、コロナ5類以降の本格的な景気回復に向けた動きも見られました。
 しかしながらウクライナ危機の終結は見えず、新たにイスラエル・ガザでの衝突などにより長引く世界情勢の緊迫や米国でのインフレによる継続的な利上げ等による円安等を背景に、輸入される原材料や原油価格の高騰が続き、国内企業物価指数も継続的の上昇により価格転嫁も継続しておりました。これに伴い、消費者物価指数でもデフレ状況から前年同月比ではプラスとなりましたが、同時に日常での商品価格上昇によって、日用品・雑貨等の輸入量が減少した結果となりました。

 技術面では生成AI、BEVが話題となりました。生成AIの活用は生産性の向上、人手不足解消等、既存の課題解決に新たな選択肢を提供し、BEV拡大は日本の自動車産業に新たな変化をもたらしており、我々も新たなニーズに対応し、ビジネスを進めております。

 コンテナ市況では、コロナ禍における急増した輸送需要の剥落、港湾混雑の正常化など供給制約の解消、新造コンテナ船の大量竣工により、異常な需給バランスは改善し、海上運賃もコロナ禍前程度に落ち着きを取り戻しましたが、パナマ運河の渇水問題、11月以降イスラエル・パレスチナ自治区ガサ地区での衝突により、イエメンの親イラン組織フーシによる紅海での商船への攻撃により、一部コンテナ船の喜望峰廻りによって航海時間は1~2週間程度伸び、投入本船の増加とコンテナの回転率低下等、これらにより供給力の低下に伴う混乱が今後懸念されてもおります。

 また、環境面では昨年7月IMOの海洋環境保護委員会でGHG(温室効果ガス)削減戦略が改定され、2050年ごろまでのネットゼロを目指すことで合意がなされ、途中経過としての30年までに20~30%減、40年までに70~80%減との目標を達成するべく、既存の枠組みにとらわれず、海運会社、新燃料会社等と新たなサプライチェーン構築が必要となります。欧州ではEU-ETSが1月より導入され、船社だけでなく、社会全体として、環境コストの必要性は更に理解されていくでしょう。

 弊社では当面の対応と致しまして、環境対応型本船の積極的な導入、既存本船の改修を進めており、昨年は13隻環境対応型新造船を引き受け、温室効果ガス(GHG)の削減を進めております。

 国内に目を向けると、物流2024年問題として一般紙でも取り上げられている通り、トラックドライバー時間外労働規制等の適用による輸送力不足への危機感が高まっており、海上コンテナ輸送に関しても如何に効率性を上げるのかが注目されております。
 我々の出来る事を積極的に進めるべく、既にCRUへの対応のみならず、地方港へのサービス拡大を図り、本年2月より常陸那珂港への寄港を再開し、お客様へ新たな選択肢を提供させて頂きます。

 様々な地政学的なリスク、米中対立、中国経済の減速傾向等により、日系企業様の生産地域が変化しておりますが、今後更に加速する傾向です。先日のJBICの調査報告でも今後の有望事業展開先として、第1位にインド、第2位にベトナム、第3位に中国、第5位にインドネシア、第6位にタイ、第8位フィリピンとアジア域内に集中しており、特にインドに関しては市場の成長性が高く評価されており、ベトナムは初の2位となり、生産拠点として有望な国として評価されております。

 このような状況下、日系企業様のニーズにお応えすべく、昨年新たに東インド(チェンナイ、ヴィシャーカパトナム)に初の自社運航船の寄港を開始し、ショートトランジットタイムで原材料の供給にご利用頂けるサービスを開始いたしました。
 また、ベトナム航路では昨年末北ベトナム向け航路を増便し、日本から北ベトナムへ週5便の多頻度サービスを提供しております。中国を始めアジア域内各国を「多頻度、網の目配船」独自のサービスモデルにて、日系企業様のサプライチェーンの一部を担えるよう、更に強化する所存でございます。

 本年は政治・経済様々な面において先行きが不透明なところでございますが、お客様の様々なニーズを満たすべくよりよい物流サービスの提案をさせて頂き、弊社DNAである「フォーカス・チームワーク・実行力・効率・リスクコントロール・顧客志向」を社員一同徹底し、事業展開して参りますので、本年度も変わらずご厚情賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 本年も皆様がご健勝でご多幸でありますよう心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

                                          令和6年元旦

                                      SITC JAPAN 株式会社

                                            張 立潔